詐欺サイトに注意

愛妻が詐欺サイトに騙されました

注意喚起のため愛妻も恥を忍んで状況を公開する事に同意してくれたので、被害者を増やさないためにも体験談として公開します。

状況

とある土曜日にFacebookを見ていたところ、キャットタワーの広告が飛び込んできて、価格はAmazonで売られていたとしたらありがちな価格帯だが、それよりさらにもう少しお得感のある価格設定。
ちょうどキャットタワーの買い換えを検討していたので購入を決め、カード払いの手続きを済ませた後、私にキャットタワーを買ったと伝えてきました。
安かったというのでどこで買ったのか聞いたところ、Facebookで流れてきた広告を見て買ったとの事。
以前からSNSに流れてくる広告に強い不信感を抱いていた私は早速調べてみたところ、やはり胡散臭さ満載でした。

胡散臭いと感じた点は次の通り

1)記載されてる住所をGoogleのストリートビューで確認したところ某運送会社の営業所だった。
2)支払い方法がクレジットカードのみ。
3)法律で表示が義務づけられている「特定商取引に関する法律に基づく表記」と言う項目が、ページ内のどこにも無く、単に会社情報が書かれているのみ。
4)電話番号が記載されていない。
5)店舗運営責任者の名前は漢字で書かれているが、姓名の順ではなく名姓の表記となっている。
6)返品、キャンセルのための意思表示をする手段はメールのみ。(先方はキャンセルの申し出を無視する事が出来る)
7)ネットショップなのにホームページの表示が極めて遅い。(おそらく安い貧弱なサーバーを使っている)
8)注文手続き終了後、通常なら自動で届くはずの「ご注文の確認メール」がない。
9)他の商品を見てみると、ポータブル電源など人気のブランドの商品が、あり得ないレベルの捨て値同様の価格で売られている。

このサイトが巧妙で悪質な点

1)ホームページのURLがSSL化されたhttpsで始まっている。(従来の詐欺サイトの多くはSSL化されていないhttpから始まっていた)

2)使われている日本語が、かなりまとも。(改めてよく見ると変なところが多々あるが、全体的に出来が良く、流し読みだとなかなか気付きにくい)

3)時々「○○県からの○○は弊社の商品をご購入いただいて、誠にありがとうございます」とポップアップ表示され、いかにも誰かがリアルタイムで購入したと思わせるようになっている。
これは、商品がどんどん売れていると言う事を暗示させるための手段と思われる。
ただ、この文章は明らかに日本語としておかしいし、約20秒毎に定期的にポップアップされることから、設定として最初からページに仕組まれている事がわかる。(ポップアップは数秒で消えるので変な日本語に気付きにくい)

4)「転売目的の購入はお断り」とか、「初期不良の応対方法」など、もっともらしい事がしっかり記載されてていかにも良心的かつ本物っぽく見える。

5)ログイン項目や買い物かご機能が採用されている点も実に本物っぽい。

6)今回の場合、社名が「◯◯ shop株式会社」となっており、これはAmazonや楽天に出店している実在する社名を使っている。
ただ、この実在する会社そのものの評判を調べると、極めて悪い評判ばかりなので、きちんとした企業かどうかも怪しく、会社はネット通販専門店の運営にも関わらず、やはり「特定商取引に関する法律に基づく表記」の項目が完全に抜けている。

7)ちょうどキャットタワーの買い換えを検討し、愛妻がネットで色々検索していたためCookieが悪用されて、興味のあるキャットタワーの広告が流れてきたと思われる。

8)感覚的には広告は土曜日になると頻繁に流れてくるようで、これも集客効率のアップとホームページ上で休日は対応できないと言う大義名分を謳う事で時間稼ぎが目的であると思われる。

このように胡散臭い点は多々あるものの、全体的に良く出来ているので、先入観無しで見ると信じ込みやすい作りとなっている。

今回の会社をネットで調べると

会社情報欄に記載されている社名「◯◯shop株式会社」で検索してみると、注文後商品が届かない事案がたくさんヒットして、もう詐欺サイトである事は疑う余地がない

その後

ホームページには電話番号が記されていないため、会社名で再度検索をしたところ、03から始まる番号を見つけたので電話をしてみる。
問い合わせ内容によって番号を選択していく自動音声が流れるが、結局はどれを選んでも注文先からの連絡を待つしかない結果となる。
恐らくいくら待っても連絡は来ないと思われる。
ちなみに、ホームページに記載されている住所は宮城県にも関わらず、電話の市外局番は03で始まる東京都23区。

取った対策

不審と判断したあと、(注文終了から小一時間後)すぐにクレジットカード会社に電話するが、休日および夜間は「盗難及び紛失のみの対応」となるため、最短でも翌営業日の9時まで待つしかない。
キャンセルを模索するが、メールによってキャンセルを申し出ることは可能となっているが、先方からキャンセルの承認を待つ必要があり、キャンセル手続きをこちら側から完結させる手段は一切用意されていない。

連絡を入れたカード会社の対応

1)クレジットカード会社側で今回の使用履歴は確認できたが、詐欺サイトかどうかを判断する手段(証拠)がないため現時点では対応のしようがないとの事。

2)当方の言い分は理解してくれ、会話履歴を残してもらい、万一商品が届かない場合クレジットカード会社から注文先に代金は支払われず、当然当方への請求も無い。

3)一番不安だったクレジットカードの不正使用に関して、今後カードが使われた時点で本人(カード名義人)が利用したかどうかの確認の連絡をしてくれ、第三者による使用であればその時点でカードを止める。

すぐにカードを止める事も可能だったが、クレジットカード会社が言うように、現時点では確実に詐欺サイトかどうかはわからない事と、メインで使っているカードなので再発行となった場合、様々な支払先のカード番号変更などの手続きが非常に面倒なので、わずかな望みに期待して様子を見る事にした。

当然のことながら一番良いのは詐欺では無く商品がちゃんと届く事。
そしてなにより大切なことは、クレジットカード会社に連絡を入れる事が最優先、最重要項目。

クレジットカード会社に連絡をした3日後、1,210円の利用があった旨クレジットカード会社から確認の電話が入り、明らかに第三者による不正利用として確認できたので、カードの停止手続きを済ませる。
利用内容は「ネット広告費」との事。
このサイト、なんと騙した客のカードを使って詐欺広告を出していたようである。どこまでも悪質で卑劣。
もちろん、ネット広告費というのは名目だけなのかもしれない。
また、少額の利用でカード番号が使えるかどうか確認したのかもしれない。

詐欺にあわないようにするには

1)SNS等で意図せず流れてくる格安商品の広告は、多くの場合詐欺広告だと思ってまず間違いないと思います。

2)特に通常値引きされない物が安く売られている広告、倒産セールみたいな広告は厳重注意です。

3)ホームページのURLがhttpで始まるサイトは極めて怪しく、httpsで始まる場合でも安心はできません。

4)ホームページURLのドメインを確認して、ネットで調べてみましょう。

5)ホームページ内で「特定商取引に関する法律に基づく表記」のページを探し、そこに
 a)事業者の氏名や名称
 b)住所、電話番号、メールアドレス
 c)販売価格
 d)支払い方法と支払いの時期
 e)送料
 f)キャンセル、返品について
上記全ての項目がきちんと記されているか確認し、できれば記入されている電話番号や住所をネットで検索して、みましょう。
「特定商取引に関する法律に基づく表記」のページがあっても、内容が省略されている場合(これらは省略してはいけない)やいい加減な場合がありますので、その辺も確認します。
詐欺サイトの場合の多くは、電話番号を検索すると詐欺に使われている電話番号であることや、住所をストリートビューなどを使い検索することで、そこが空き地だったり、架空の地であったりすることがわかる場合が多いので、かなり有効な判断材料となります。
例えば事業所が東京なのに電話番号の市外局番が東京以外だったりする場合も詐欺だと思って間違いありません。
「特定商取引に関する法律に基づく表記」のページが見当たらない場合は、詐欺サイトであるかどうか以前に法律違反ですので、その事業者との取引はやめるようにしましょう。

6)実在の企業名と酷似した企業名を語っている場合もあるため、企業名や安さだけで早急に判断しないようにしましょう。
特に魅力的な価格だったり、それが数量限定だったり、その価格で販売される期限が決められていたりすると、気持ちが高揚して焦ってしまいがちですが、購入手続き前に一度落ち着きましょう。

7)クレジットカード会社も推奨していますが、購入手続き完了後、わずかでもおかしいと思ったら迷わずクレジットカード会社に電話して相談し、情報を共有しましょう、この辺は時間との勝負となります。
万一詐欺サイトに騙されたことが確実だった場合、クレジットカード会社側で補償される場合があります。

8)極力いつも使っている通販サイトを利用するようにします。

9)送ってこないだけが詐欺ではありません。
最近よく見かけるのが複数まとめ買いすると、2点目以降半額であったり格安だったりするものです。
この場合は、製品は実際に送ってきますが、紹介写真とは比べものにならない粗悪品が送られてきます。

10)ホームページの内容をよく読んでみると、日本語の表現がおかしかったり、通常日本では使われない漢字が使われています。おそらく、中国語のOSを使ったコンピューターで製作されているのだと思われます。

これらに当てはまらなくても詐欺の方法は日進月歩のため、日頃から注意をし、不審な箇所が無いか見極める事が何より重要です

最後に

色々調べていくうちに◯◯ shop株式会社と言う名前で実際に運用されている実績もあるようです。
例えば楽天市場やAmazonにも出店されており、確認はしていませんが某有名企業の関連会社で注文後商品が届いたと言う例もある事を考えると、問い合わせ先の電話番号が03から始まる事も納得できなくもありません。
それらの事を考えると、実在する名前を利用した詐欺サイトである可能性が極めて濃厚であると言う結論に達しました。

これが詐欺サイトのURLです

https://tqakvmsh.biz/
↑7月5日現在閉鎖されて閲覧できなくなっています。

愛妻の失敗談をどうぞお役立ててください。

その後の注意事項

さて、ここまでで詐欺への対応は終了したのですが、実はもう少しだけやっておかなければいけない事と注意しなくてはいけない事が残っています。

やる事

1)クレジットカード会社が今回の注文を確認するため、Facebookに表示された詐欺サイトのページのスクリーンショット(今回注文してしまった商品が掲載されているページ)を送信する。

注意する事

1)スクリーンショットを送信したあと、クレジットカード会社から詐欺サイト側へ、当該の取引に関して代金の支払いが行われない旨の連絡が行くわけですが、これに対して詐欺サイト側が、まれに異議申し立てをする場合があり、その場合は厄介な事になり、警察と消費者センターに連絡する必要が生じる場合もあるようです。

2)今回の場合、カード情報を入力して注文が完了したあと、連絡が一切がなく、商品の発送もなかったわけですが、まれに全く関係のない物を送りつけてくる場合があるそうです。
この場合受け取りを拒否すれば良いのですが、近年の新型コロナウイルス流行のおかげで、置き配が盛んに行われるようになった事で、配達が完了してしまう場合があります。
このような場合、うっかり商品を開封してしまうと厄介な事になってしまうので身に覚えのない配達は、絶対に開封をせず確実に受け取りを拒否します。
万一置き配などされてしまった場合でも、開封せずに運送会社に事情を話して引き取ってもらいます。

しかし、なんとも生活しづらい世の中になってしまった物ですね。

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