走り方を変えて、燃費をどこまで向上させられるか?

一般道メインで走ったら意外に燃費が良かった

キャンピングカー、特に図体のでかいキャブコンはトラックベースの物が多いため、燃費が非常に悪いのが普通です。
我が家のキャブコン「アミティ」も例外ではなく、一般道で5.5㎞/L前後と言う悪さで、燃費が良くなると言われる高速道路をアクセルワークに注意しながら頑張って走っても、7㎞/L行くかどうかと言うのが現状です。
以前乗ってた軽自動車は、特に意識しなくても一般道でリッターあたり16㎞〜18㎞走っていたのを思うと、わずか1/3の燃費です。

2021年10月初めにガソリンが大幅に値上がり、私が住む兵庫県宝塚市にある行きつけのスタンドは、165円/Lと表示されてしまいました。
こうなると、何とか燃費を向上させることができないものかと考えるのが人情です。
かと言って、燃費を良くするために多くのお金を掛けるというのも本末転倒なので、費用を掛けずに走り方だけで頑張ってみようと思いました。

ちょうど、10月2日に仕事の関係で石川県の羽咋市に出かける予定が入っていたので、まずは一般道での正確な燃費を知る事も兼ねて、一般道メインのコースで計画を立ててみました。

確実に燃費が悪くなる交通量と信号が多い都市部の一般道の走行を避けるため、現在工事中で通行止めの中国道池田ICから吹田IC間を除き、名神高速道路吹田ICから京都東ICまでの46㎞のみ高速道路を使い、そこから琵琶湖の西側の国道161号線湖西道路に入り敦賀市で8号線に入ったあと、金沢市から海沿いの「のと里山街道」を経て目的地のすぐそばにある道の駅能登千里浜へ向かうコースです。

予定では、目的地まで全行程で320㎞ほど。
時間がかかることは覚悟して、途中何度か休憩をしながら最後は車中泊をして走る予定です。
名神高速道路から北陸高速道路に入るコースだと5時間ちょっとですが、一般道だとさらに3時間弱かかる予定ですから、単独行動では体力的に、やはり車中泊を前提としないとかなり厳しいと思いますが、これも簡単に車中泊が出来るキャンピングカーだから可能な行程です。

下記Mapは、京都東ICからを表示しています。

20時30分に出発。

ガソリンが大きく値上げされたからと言って給油を躊躇するほどかと言えば、決してそうではないのですが、それでもやはりできるだけ節約はしたい物です。
石川県までの高速道路の利用料は、深夜・休日割引無しで7,150円、割引があっても5,010円で、この金額はアミティの燃料タンクが空の状態から満タンにしたときの金額にほぼ匹敵します。
今回の目的地までの行程だと、前回走行時、概ね満タンにした燃料を使い切るのに近かったので、高速道路を使うのを我慢すれば、かなり大雑把な計算ですが移動にかかる費用が約半分になり、時間はかかるけど試してみる価値は十分あると思ったわけです。

さて、実際に走行してみたところ次のような結果となりました。
以前、普通に高速道路を使って同じ目的地まで行ったときは、目的地に着く少し前に給油の必要がありました(実際はまだ走れたのですが、精神的に悪いので給油したわけですが)が、今回はかなり余裕がありました。

給油したときの走行距離339㎞
給油量39.71L
燃費8.53㎞/L

この数字には驚きました。
と言うのも、今まで燃費が良くなると言われる高速道路を走行してて、どんなにアクセルワークに気をつけていても7㎞/L行くかどうかでしたから、今までが7㎞/Lだったとしても同じ量の燃料で60.7㎞、今までの一般道での燃費5.5㎞/Lより120㎞も余計に走ることが出来る計算になります。

一般道メインの走行だったにも関わらず、高速道路を使ったときより大幅に燃費が伸びるとは思っていなかったから、この数字は本当に驚きでした。

高速道路は意外に燃費が悪いのかも

さて、ここで一般道メインでなぜこれだけ燃費が伸びたのか理由を考えてみたいと思います。

一般道とは思えないほど速度変化の少ない走行だった

赤信号で停車する度に加速しますが、この加速と停止の繰り返しが一番燃費に悪影響を及ぼすようです。
つまり高速道で燃費が良いと言われるのは信号が無いからです。
今回は深夜に走行しましたから、交差点の信号も主要道路側は黄色の点滅になっている場合が多く、基本的に停止する必要が極めて少ない状態でした。
また、歩行者もほとんどいないので、歩行者が理由による停車、減速もほとんどありませんでした。
さらに深夜なので車の量も極めて少なく渋滞もなく、走行速度が極端に遅い車にも遭遇しませんでした。
地方の特に郊外を走る国道は、住宅街から離れた場所に敷かれている場合が多い上、できるだけ直線になるよう作られており、信号と信号の間隔も広く、長時間安定した速度維持が可能だったのです。

アップダウンの少ない平坦なコースがほとんどだった

上り坂では速度が低下してしまいますから、どうしてもアクセルを強く踏み込む必要が生じ、燃料の消費は多くなりこれは避けることが出来ません。
高速道路は人が住んでいない場所に作られている場合が多く、その多くは山を切り開いて作られています。したがって、極端な坂は無いにしても必然的に長めのアップダウンが多くなってしまいます。
高速道路で自車が低速で走ってしまうと車の流れを乱し、渋滞発生の原因となるなど、周囲に迷惑を掛けることに繋がるので、上り坂では速度を維持するためにどうしても登り切るまではアクセルを強く踏み込まなくてはいけません。
実はこれが高速道路での燃費悪化の原因ではないかとにらんでいます。
高速道路も平坦な場所ばかりなら、燃費はかなり良くなるはずです。

今回走行した一般道は、滋賀県と福井県をまたぐ国道161号線の峠道以外はほとんどが平坦で、アクセルを強く踏み込む機会はほとんど無く、燃費向上にかなり貢献していたと思います。

高速道路より走行速度が遅かった

空気抵抗は速度の二乗に比例して大きくなります。
速度が倍になったら、空気抵抗は4倍というわけです。
流線型のスポーツカーと違い、空気抵抗を減らすような形状をしていないキャブコンは空気抵抗の塊です。
当然のことですが、一般道では速度の上限が速い場所も時速60㎞ですから時速100㎞前後で走る高速道路と比べ、ざっくりとした計算で空気抵抗も3分の1程度と思われ、これも燃費にかなり貢献していると思います。

エアコンを使わなかった

エアコン稼働時に動作するコンプレッサーは、エンジンに大きな負荷をかけます。
エアコンを使うことで燃費は1割から2割も悪くなると言われています。
今の季節、暑さも一段落したうえ夜間の走行だったので外気温も低く、かと言って車内のガラスを曇らせるほどの低さでも無かったので、エアコンを使う必要が一切無く、送風機能だけで快適に過ごすことが出来ました。

車重はあまり関係ないのでは?

一般的に車重が重いほど燃費が悪くなると言われていますが、車重が燃費に大きく影響してくるのは、主に慣性の法則から加速の時と、位置エネルギーの関係から上り坂の走行の時だけと言えるので、私は目的地が長い上り坂の先でない限り、それほど大きく影響するとは思っていません。
もちろん、信号などが多く加速と減速を頻繁に繰り返す場合は車重が燃費に大きく影響しますが、キャンピングカーの場合一般のキャンプと違い、人数が増えない限り基本的に積み荷の量が大きく変わることはあまりないので、対策の施しようがないと思っています。

その他

デフオイルの交換やタイヤの空気圧の管理で燃費の向上は期待できますが、この辺は普段のメンテナンスなので今回の「走り方を変えて」の趣旨とかけ離れるので割愛します。

まとめ

一般的に高速道路を走った方が燃費は良いと言われますが、今回全行程の9割近くが一般道だったにも関わらず燃費が飛躍的に向上したのは
1,深夜の走行により速度変化の少ない走行だった
2,ほとんどがアップダウンの少ない平野部のコースだった
3,時間はかかったが空気抵抗が少ない低速走行だった
4,エアコンを稼働させなかった
以上の4つが主な要因だったと思われます。

もちろん、一般道を走ればどんなところでも燃費が良くなるわけではありません。
今回は夜間の走行、平野部、気温など良い条件が揃ったから大幅な燃費向上が見られたのだと思います。
燃費ばかりに気を取られて、移動にあまりにも多くの時間を要するようでは旅行の楽しみも半減してしまいますから、その辺のさじ加減が悩ましいところです。
これからは今回の経験を元に、単に距離や時間だけをもとに計画を立てるのではなく、走行時間帯や地形など、もう少し細かなことまで配慮してみたいと思います。

その後、高速道路の走り方に注意して走ってみた

10月2日〜3日にかけての走行で燃費を向上させるコツがわかってから3週間後、改めてキャンピングカーで遠出をしてみました。
場所は年2回ほどのペースで利用する和歌山県みなべ町にある江戸時代から続く温泉宿「鶴の湯」です。
片道約160キロでここへの往復はほとんどが高速道路を使います。
また、石川県へ出かけたのは深夜でしたが、今回は往復とも交通量の多い土日の日中に移動しますので、条件はあまり良くなく、高燃費は期待できそうにありません。

行きつけのガソリンスタンドで満タンにしたあと、湾岸道の尼崎末広ICまで一般道を走ります。
案の定、一般道はまあまあ混み合っています。
ただ、気温はちょうど良いいので、燃費悪化の要因であるエアコンは使わずに走れそうです。

お昼過ぎに高速道路に入り阪和道の「みなべIC」で下りたあと、一般道を15分ほど走って目的地に到着です。
途中高速道路で2カ所、併せて1時間ほど車が完全に停止してしまうほどの渋滞に巻き込まれ、燃費悪化の予感がします。
高速道路の走行で燃費が悪化する一番の原因は、アクセルの踏み込みすぎだと考えているので速度は80㎞/hを強く意識します。
と言うのも、今までは80キロで走っていたとしても、前を走る車に追いついてしまうと結構追い越しをしていたのです。
従って、加速が悪いキャンピングカーは追い越しを始めてから前の車を追い越すまでかなりの時間を要するため、その間ずっとアクセルを踏み込むことになるので、それはやめてみることにしました。

また、もう一つ心がけたのは車間距離を十分に取る事です。
これは、前の車の車速が安定していない場合、車間が少ないと前の車の速度変化に合わせるようにこちらも加減速を繰り返すため、燃費の悪化に繋がるのですが、十分な車間を取っていれば、前を走る車の速度変化はある程度車間で吸収出来ると言う理屈です。
また車間距離を十分に取る事は安全運転にも繋がります。

木枯らし一号が吹き荒れる中、往復とも同じような走りを心がけたところ、いつもなら帰路の「紀ノ川SA」で給油の必要が生じるのですが、今回は明らかに給油無しで帰れるほどの十分な余裕があります。
かなり期待できそうです。
ちなみに、「紀ノ川SA」でのガソリンの価格はなんと181円/L
(10/24現在、行きつけのガソリンスタンドは170円/Lです)

さて、自宅近くまで無給油で走ることが出来、往路と同じ行きつけのガソリンスタンドで給油しました。
全走行距離314.2㎞
給油量37.17L
燃費8.45㎞/L
なんと、2度の渋滞に巻き込まれたにも関わらず、前回の8.53㎞/Lに匹敵すると言えるほどの高燃費でしたから、途中2カ所の渋滞がなければもっと燃費は伸びたと思われます。

このことから高速道路を利用したとしても
1,エアコンは使用せず
2,車間距離を十分に取り
3,速度変化の少ない走行を心がけることで
燃費はかなり向上させることが出来ると言う事がハッキリとわかりました。
目的地によってはアップダウンが多いコースを避ける事は不可能ですが、上記の3点はどんなところを走る場合でも実践できるので、今後も続けていく価値は十分にあると思います。

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