能登半島一周1/3

能登半島一周 前編

2021年3月26日夜から29日にかけてアミティで能登半島一周してきました。

高校時代に友人とテントを積んだ自転車で3泊4日で一周して以来ですから、実に約40年ぶりとなります。
能登半島は一周約350キロ程度なのですが見所が多いので、なるべく早めに半島入りするために3月26日の22:00に家を出て北陸道の南条SAで車中泊します。
しかし、このSAは長距離トラックがめちゃくちゃ多く、みんなアイドリングしています。
冷凍車などは仕方がないにしても、そうでないトラックも絶賛アイドリング中。
まぁ、まだ北陸の夜は冷え込むのでしょうがそれにしてもひどい騒音です。

他にもそこそこの数のキャンピングカーが停まっているのですが、みんな大丈夫なのでしょうか?
奥さんはグッスリ寝てる様なので、どうやら私が寝られないだけのようです。
車の窓を全て閉じて1時間くらい頑張って寝ようとしましたがうるさくてとても無理です。

悪いと思いつつ、ぐっすり寝てる奥さんを起こして隣の北鯖江PAまで移動することに。
もしそこも無理ならさらに先へ行くつもりでしたが、なんとか寝られるレベルの状態だったので再び就寝です。
2時間ほど睡眠が取れたので、朝食を済ませたあと出発です。

今回は最初の目的地千里浜を起点として時計回りに走る予定です。
千里浜はご存知の方も多いと思いますが、約8キロの砂浜を自転車はもちろん大型観光バスまで走ることができる日本でただ一つの砂浜です。
また遠浅なので海水浴場としても人気の高い海岸です。
近年侵食が著しいため全コースを走ることが難しくなっている様なので、走れるうちに走っておきたいと思いました。

でも海水を含んだ砂浜なので、ガッツリ走るとAMITYの下回りが痛んでしまいます。
いくら水で洗っても千里浜特有の微細な砂を完全に取り除くことは困難なので走行はちょっとだけにする予定です。

千里浜到着

金沢東ICで国道8号線に降りて小一時間で千里浜に到着です。
すぐそばの道の駅「のと千里浜」にもキャンピングカーが何台も停車しています。
緊急事態宣言が解除されたからだと思いますが、出先で今回ほど多くのキャンピングカーを見たのは初めてです。

肝心の千里浜ですが、やはり侵食のせいか走れる海岸線はかなり限定されていて規制線が張られていて「渚ドライブウエイ」のほとんどが進入禁止になっています。


私の印象では砂浜の広さは小学生時代に海水浴に来てた頃の半分以下で、本当に狭くなっています。
このまま浸食が進めば海岸線を走れなくなるのも時間の問題のような気がします。
ドローンを飛ばして上空から千里浜を見てみましたが、車が止まっている場所の向こう側は通行禁止です。本来ならずっと向こうの霞んでいるあたりまで走行できるのですが。

丸で囲んであるのが我が家のアミティです

余談ですが千里浜は年間を通して潮位差が少なく遠浅なので、膝まで足を入れてハマグリを捕ることができます。潮が引いた干潟で貝を捕るのではなく、膝あたりまで海水に浸かるいわゆる千里浜スタイルの潮干狩りです。
熊手やスコップなどの道具の持ち込みは禁止されていますが、なんと無料で潮干狩りができるんです。
足の裏で砂を掘ると貝の感触があるので手を入れて捕まえる感じです。
時期と場所がうまくかみ合えば面白いほどの収穫があります。
持ち込んでいい道具は、捕った貝を入れるバケツのみです。
小さい頃父に連れられてよく行きましたが、昔より捕れなくなった様です。

なるべく砂を巻き上げないようにアミティをゆっくりと500mほど走らせて千里浜を後にします。

同じ石川県羽咋市内に「気多大社」と言う神社があります。
多くの気が集い、恋愛成就の神社として有名なようです。
この神社は私が小さい頃、初詣の定番の神社でしたが、なぜかいつもここへ行くと熱を出して母と車の中で姉と父が初詣を終えて帰った来るのを待っていたものです。

ここへ寄ろうかと奥さんに話したのですが、とこさんが言うには
「神様との相性もあるからいつも熱を出していたなら、きっと相性が悪いのだから行かない方がいいよ」
との事なので今回は見送ります。

見所が多い能登金剛を走る

次に向かったのが「巌門(がんもん)」です。

ここから先は能登金剛と呼ばれ、奇岩が多く見所が密集していて巌門はその入り口となります。

能登金剛


昔の賑わいはどこへやら、コロナのせいもあるのでしょうが観光客はほとんどなく寂しい限りです。
この「巌門」は松本清張さん作の「ゼロの焦点」のロケ地だったようです。
また、今回は見送りましたが巌門のそばの福浦港には日本最古の木造灯台があります。
ここでちょうどお昼になったので羽咋市内のスーパーマーケットで買ったお弁当で昼食とします。

次に向かったのが伊勢の二見浦そっくりの、磯具岩(はたごいわ)です。

能登二見とも言うようです。
能登二見って言うくらいですから、伊勢の方が本家なんでしょうね(笑)
二つの岩を結ぶしめ縄が本家よりしょぼい!

この先に、昔はなかった世界一長いベンチがあります。
観光名所にしようと頑張って作ったのかもしれませんが、いくら世界一長くても所詮ベンチでしょ、スルーです。これが純金製の黄金のベンチなら見に行ったのですがね。

見所は続いて「ヤセの断崖」です。

ここも「ゼロの焦点」のロケ地です。
40年前は本当に足がすくむような、手すりも何もない断崖絶壁でその先端まで行けたのですが、しばらく前にその場所が崩落してしまい、整備されて柵も付けられて今はそれほどの恐怖は感じなくなっていました。
こちらもドローンで海側から撮った「ヤセの断崖」です。

ヤセの断崖のちょっと手前に源の義経が船を隠したとされる「義経の船隠し」があるのですが、ここはスルー。

次は「関の鼻」ここも奇岩なのですが、駐車場が有料でそこそこの金額を取るのでパスです。

関の鼻には弁天様を祭った祠があって、そこの水でお金を洗うとお金が増えるそうですが、その前に駐車場でお金を取られる様です。
きっと、ここの駐車場を開いた人が一番最初にここでお金を洗ったのでしょう。

能登金剛はこのあたりまでです。

この先に「琴ヶ浜」と言う砂浜があります。
別名「鳴き砂の浜」と言い、石英質の砂でできた白い砂浜で砂浜を歩くときに踵をこするようにすると「キュッ、キュッ」と鳴るようですが海洋汚染のため最近は鳴かなくなた様なのでここもパスです。

見所が多いのにパスする場所も多いのは、今日は能登半島の先端まで行きたいからと言うのもあるのです。
全ての見所を見ていると遅くなってしまい、奥さんに一番見てもらいたい禄剛崎灯台に明るいうちに到着できなさそうだからなんです。
しかも明日の天気は雨模様なのでなんとか今日中に着きたいのです。

さて琴ヶ浜を過ぎると、やはり40年前にはなかった「トトロ岩」が見えます。
遠目に見ると本当にトトロそっくりのシルエットです。
シルエットどころか、近くに行くとなんと丁寧に目玉までありますが、この目玉は人の手によって付けられたもののようです。
人の手を加えなくても十分だと思うのですが。

能登半島を人の横顔に例えると能登金剛が後頭部で、そろそろ頭のてっぺんあたりです。
ここには輪島塗で有名な輪島市があります。
ここは、輪島塗だけでなく朝市も有名なんですが、この朝市は完全に観光客目当ての様になっているため、朝市で土産物なども売られるようになりさらに朝市と言いながらも昼過ぎでもやっています。
しかたがないとは言えちょっと興醒めしてしまいます。

輪島を過ぎてしばらく行くと日本で初めて世界農業遺産に認定された「白米の千枚田」が見えてきます。約4ヘクタールの面積に、1,000枚を超える小さな棚田があるのですが、そばの道の駅「千枚田ポケットパーク」から見える千枚田は圧巻です。
農機具を入れることができないほどの狭い田んぼを見ると、田植えや稲刈りの大変さがわかるようです。

見頃は田んぼに水を張った時期や田植えの後が良いでしょう。

さて、千枚田を過ぎると「曽々木海岸」に出ます。
ここも「窓岩」や能登では珍しい滝が海へ直接落ち込む「垂水の滝」などいくつか見所があります。
垂水の滝周辺では冬になると日本海の強い風で波が海岸に打ち付けられることで泡立ち、その泡の一部が風に乗って舞い立つ「波の花」が見られます。
ただ、波の花は冬ならいつでも見られると言うわけでもないので、見られたらハッピーです。
それから、ここからしばらくの間の海岸線にはいくつか塩田が見られます。
ここの塩田は日本で唯一残る「揚浜塩田」で、能登のきれいな海水から作られた美味しい塩を買うこともできます。

さて、あと少しで目的地の禄剛崎灯台ですがその手前に椿峠があり、峠には「椿展望台」があります。
ここから見下ろす海岸線も本当に息をのむような美しさです。

ここもそうなのですが能登半島の見所の多くには公衆トイレが設置されており、どのトイレも本当にピカピカに清掃されています。
公衆トイレは汚れていて臭うイメージが強いのですが、能登に限って言えばそれは全くありません。

椿峠を越えると禄剛崎灯台まではあと一息です。

道の駅狼煙で車中泊

細い道を走りようやく今日の車中泊スポット「道の駅狼煙」に到着です。

ここもトイレがとてもきれいに清掃されています。
私は知らなかったのですが、ここは豆腐が美味しいようで道の駅にも豆腐が売っていました。
道の駅が閉まる前に今晩のおかず用に「おぼろ豆腐」を1丁購入します。
その後奥さんに一番見てほしかった禄剛崎灯台へ向かいます。

禄剛崎灯台は能登半島の先端にあり、灯台のすぐそばまで歩いて行けます。
スイセンの花畑を抜けると灯台が見えます。

ここは日本の灯台50選にも選ばれている美しい灯台で、道の駅から徒歩で10分ほどちょっとキツ目の階段を上った先にあります。

能登半島の先端にあるため、ここからは朝日も夕日も見ることができるそうです。
40年前に訪れたときと何ら変わりのない真っ白な灯台が、きちんと手入れされている事を物語っています。
眼下には広大な美しい日本海が広がっています。

今夜はここで車中泊させてもらいます。
先ほど買ったおぼろ豆腐ですが醤油をかけて冷や奴で戴きましたが、大豆の味が非常に濃い本当に美味しい豆腐でした。

残念ながら近所に入浴施設がないので、今夜はお風呂は我慢です。
ここでの車中泊者は私たちの他にバンコンが一台だけで、昨日のSAとは雲泥の差の静けさです。

ここまで読んでいただければおわかりだと思いますが、能登半島は本当に見所が多いにも関わらず、観光客の多くは千里浜止まりでその奥へは殆ど出かけないようです。
実際、千里浜ではたくさんのキャンピングカーがいたのに、千里浜を出てからここまですれ違ったキャンピングカーはわずか1台だけです。
本当にもったいないと思います。
これを読んでいただいた方、もし北陸へ出かける時は是非とも能登半島をコースに入れてください。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
次は「能登半島一周 2/3」です。

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